健康情報 POSTED / 2018.10.04
子どもと妊婦のインフルワクチン
子どもが生まれた最初の冬。皆さん心配になってしまうのが、こんな小さな子どもでもインフルエンザのワクチンを打ってもいいの?というところです。小さな体で本当にインフルエンザと戦えるのかも不安ですし、かといってワクチンの接種もしていいものか心配なのではないでしょうか。ここではインフルエンザワクチンを中心に紹介していきます。
■何歳でも受けていい?
じつは商品の添付文書上は何歳でも接種していいことになっています。年齢が若いという理由で制限されているわけではないのです。しかし一般的には1歳頃がワクチン接種の推奨年齢とされています。これはなぜなのでしょうか。
■生後6か月までは抗体ができにくい。
ヒトの体は生まれてすぐの場合免疫反応が弱く、抗原に触れても抗体ができにくいとされています。
これは世界的にも有力な学説で米国の学会でも生後6か月からの接種を推奨しています。
■日本小児科学会では1歳以上を推奨
一方、米国と違い日本の小児科学会では1歳以上を推奨しています。
これは合併症である急性脳症が1歳を過ぎてから起きることと、1歳未満の感染は比較的軽症で済むことが理由です。
つまり、生後1歳未満で集団生活をしていない場合は特にインフルエンザのワクチンを奨めておらず、むしろ他のワクチンを優先すべきということです。家族など周りがしっかり予防接種を受け、子どもへの感染を未然に防ことが重要です。
■抗体の存在する期間
効果は接種1~2週間で出始め、2回目の接種後1か月でピークを迎えます。その後3~4か月経過すると徐々に減少していきます。つまり秋頃に接種を開始すればインフルエンザの流行時期である冬のシーズンは免疫を備えることができるということです。推奨年齢は1歳となっていますが多少早めるのは問題ありません。ピッタリと考えるのではなく、流行が始まる1月頃を見据えてうつべきだと考えられます。
■もし1歳未満で罹ったら
1歳未満はインフルエンザ感染による発熱が比較的低めで、発熱期間も短いとされています。これもインフルエンザワクチンの推奨が1歳以降とされている理由のひとつです。そして1歳を過ぎると重症化の可能性が高まり、合併症の急性脳症は1歳台が最も多い年代となっています。やはり1歳前後で冬を迎える場合はワクチン接種をするべきなのでしょう。
■接種間隔は
最初の接種から2~4週間後に2回目を接種できます。最適なタイミングとしては3~4週間の間に2回目をうつことです。スケジュールとしては1回目を10~11月、2回目を11月中にして下さい。そうするとインフルエンザの流行時期のほとんどを、免疫を持った状態で過ごせます。このため多くの病院クリニックが10月の前半から接種を開始しています。
■2回うたないといけないの?
13歳以上では1回の接種でも抗体獲得ができるようになりますがそれ未満では2回接種しないと抗体ができません。
原則、13歳未満は2回接種とされていますが、毎年ワクチンを受けている、もしくは近年インフルエンザに罹患した人、あるいは9歳以上の場合は1回でも抗体ができると言われており、はっきりとしたルールにはなっていません。
■卵アレルギーの人は注意
卵に対しアレルギー反応が起きたことのある方はワクチン接種を控えることが望ましいとされています。病院で確認してみて下さい。
■効果
他の様々なワクチンと比べ実は効果は高くありません。子どもの場合、A型で30~50%程度、B型や1歳未満ではさらに効果が低くなります。発症予防というよりは重症化予防と捉え、仮に発症したとしても翌年以降「どうせ効かないから」とワクチンを控えるのではなく、重症化を防ぐためにも毎年しっかり受けさせてあげてください。
■妊婦のインフルエンザワクチン
添付文書には妊婦への安全性は確立されていないとされており、日本ではワクチンを控える病院が多いのが現状です。しかし欧米ではインフルエンザに感染するリスクの方が大きいという考えの元、妊婦にもワクチンの接種を推奨しています。ワクチンの有用性とインフルエンザ感染のリスクを比較し使用を検討するというのがインフルエンザワクチンの妊婦への投与です。主治医と相談の元ワクチン接種を考えてください。
インフルエンザは多くの場合高熱が数日続き軽快します。しかし稀に重症化することがあり、感染力も非常に強いウイルスです。推奨年齢を目安にお子様には是非毎年の接種をしてあげてください。
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この記事の監修者
And TOYBOX おもちゃコラム 編集部 岩瀬裕紀
おもちゃレンタルサービスAnd TOYBOXを運営する株式会社みのり代表取締役。2017年に当サービスを立ち上げる。そのほかに雑貨やインテリアのオンラインショップAnd MONOと保険調剤薬局を運営する。